|事故を防ぐのは仕組みと感覚である
重症心身障害児を支援する事業において、安全は最優先事項です。
ただし、安全という言葉は抽象的で、事業所ごとに解釈がぶれやすい部分でもあります。
この記事では、私が考える「最初に決めておくべき安全ライン」について整理します。
安全とは、怪我をさせないことだけではない
もちろん、子どもが怪我をしないことは大前提です。
しかし、それだけで安全が守られているとは考えていません。
現場職員が「今日もみんな楽しく過ごしてもらったな」と感じられる状態まで含めて、安全だと考えています。
現場の感覚は重要な指標
支援が終わったあと、現場に大きな緊張や疲労だけが残る状態は健全とは言えません。
無理をして事故が起きなかっただけ、という日は安全とは言いにくいです。
現場の感覚は、安全ラインを測る重要な指標になります。
ヒヤリハットをどれだけ減らせるか
私が安全を見るうえで重視しているのは、ヒヤリハットの数です。
大きな事故が起きていなくても、ヒヤリとする場面が多ければ、安全ラインは下がっています。
事故は突然起きるのではなく、予兆の積み重ねで起きます。
ハインリッヒの法則が示すもの
ヒヤリハットが増えると、いずれ事故につながります。
これはハインリッヒの法則が示している通りです。
だからこそ、ヒヤリハットの段階で止めることが重要です。
安全ラインを下げる最大の要因は人手不足
現場で安全ラインが下がる最大の要因は、人手不足です。
人数が足りない状態では、どれだけ意識を高く持っても限界があります。
無理を前提にした配置は、安全を脅かします。
危険予知能力の不足も大きな要因
もう一つの要因は、危険予知能力の不足です。
経験の浅さだけが原因ではありません。
忙しさや慣れによって、危険を予測する余裕が失われることもあります。
小さなヒヤリハットを見逃さない
安全ラインを守るために、最初に決めておくべきことがあります。
それは、些細なことでもヒヤリハットとして全体に共有することです。
個人にとっては小さな出来事でも、全体にとっては重要な情報です。
ヒヤリハットは責める材料ではない
ヒヤリハットの共有は、誰かを責めるためのものではありません。
責任追及が始まると、報告は一気に減ります。
共有の目的は、次を防ぐことです。
判断に迷ったら報告すると決めておく
もう一つ、最初に決めておくべきことがあります。
それは、判断に迷ったら必ず報告するというルールです。
自己判断で抱え込まないことが、安全につながります。
報告は安全装置である
報告は、現場を守るための安全装置です。
報告が多い現場は、むしろ安全意識が高いと言えます。
報告しやすい空気を作ることが、管理側の役割です。
危険信号はヒヤリハットの増加
安全ラインが下がっているサインは、はっきりしています。
ヒヤリハットが増え始めたときです。
この段階で立ち止まれるかどうかが重要です。
管理者とのコミュニケーション減少も危険信号
もう一つの危険信号は、現場管理者とのコミュニケーションが減ることです。
相談や報告が減ると、現場の状況は見えなくなります。
見えなくなった現場では、安全を守ることはできません。
安全ラインは現場で作られる
安全ラインは、紙の上だけで決まるものではありません。
日々の共有や報告、現場の感覚の積み重ねで作られます。
そのため、最初に考え方をそろえておくことが重要です。
安全を最優先にするという覚悟
安全を最優先にすると決めることは、簡単ではありません。
時には、効率や数字を犠牲にする判断が必要になります。
それでも、安全ラインは下げてはいけないと考えています。

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