事業を拡大するか、しないか

|拡大は目的ではなく、選択である

管理者に何を任せるかを考えるようになると、次に必ず浮かぶのが事業拡大の問題です。

拡大するか、しないかは、経営者にとって避けて通れない判断であり、どちらを選んでも責任が伴います。

この記事では、拡大について私がどのように考え、どんな前提で判断してきたかを整理します。


最初から拡大を前提にしていた

正直に言えば、私は最初から拡大を前提に事業を始めていました。

一拠点だけで終わらせるつもりはなく、事業として続ける以上、その先も見据える必要があると考えていたからです。

拡大ありきというより、止める理由がなければ次を考える、という感覚に近いものでした。


満員と受け入れ待ちが背中を押した

最初の事業所が満員になり、通いたくても通えない家庭が増えていく現実を目の前にしました。

受け入れ待ちが出るようになったことで、この状況を解消するためには、次の展開を考えざるを得なくなりました。

拡大は成長戦略というより、目の前の課題への対応でもありました。


管理者が現場を回せるようになったこと

もう一つの大きなきっかけは、管理者が現場を回せるようになったことです。

経営者が常に現場にいなくても、日々の運営が成立する状態になったことで、初めて次を考えられる土台が整いました。

この状態がなければ、拡大は現実的な選択肢にはなりませんでした。


拡大に対する不安は常にある

拡大を決めたからといって、不安が消えるわけではありません。

人の問題は確実に増えますし、初期投資も必要になります。

さらに、どこでやるのかという場所の問題も、常に判断を難しくします。


人の問題が増えるという現実

拡大すれば、職員の数は確実に増えます。

そうなれば、人間関係や価値観の違いと向き合う場面も増えていきます。

これはどの事業でも避けられない現実です。


拡大しないという選択肢はなかった

私自身には、拡大しないという選択肢はありませんでした。

一拠点だけでは、経営者の収入はサラリーマンと大きく変わらず、加えて従業員に十分な報酬を還元することも難しくなります。

その状態を良しとする理由が、私には見つかりませんでした。


それで本当に良いのかという問い

一拠点で守ることは安定しているように見えますが、本当にそれで良いのかという問いが常にありました。

経営者としても、従業員に対しても、利用者に対しても、最善なのかを考え続けました。

その結果、拡大しないという判断には至りませんでした。


拡大は急ぐものではない

ただし、拡大は急げば良いものではありません。

勢いや思いつきで進めると、必ずどこかで歪みが出ます。

拡大は、慎重に選び続ける経営判断だと考えています。


経営計画とPDCAを回すということ

拡大を考える前に、経営計画を立てることは欠かせません。

計画を立て、実行し、振り返り、修正するというPDCAを回し続けることが、拡大の前提になります。

拡大は一度きりの判断ではなく、継続的な管理の中で進めるものです。


人生目標と経営は切り離せない

そもそも、経営は人生と切り離して考えられるものではありません。

自分がどんな人生を送りたいのかを考え、その延長線上に経営を位置づける必要があります。

拡大は、その人生目標に沿った手段であるべきだと考えています。


拡大しない選択を否定するものではない

一拠点で終わり、守っていくという選択を否定するつもりはありません。

人それぞれ、価値観や人生設計、事業の目的は異なります。

どちらが正しいという話ではなく、どちらを選ぶかの問題です。


良い事業所には要望が集まる

良い事業所を運営していると、保護者からさまざまな要望が寄せられます。

もっと通いたい、定員を増やしてほしい、事業所を増やしてほしいという声は少なくありません。

さらに、卒業後を見据えて生活介護施設を作ってほしいという相談も増えてきます。


拡大は責任でもある

そうした声を聞くたびに、拡大は単なる成長ではなく、責任でもあると感じます。

必要としている人がいる以上、応えられる体制を考えることは避けられません。

拡大は逃げではなく、覚悟を伴う選択だと考えています。


事業拡大は価値観の問題

事業を拡大するかどうかに、明確な正解はありません。

その人の価値観、人生設計、事業観によって答えは変わります。

この記事が、その判断を考えるための材料になれば幸いです。


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