人に期待しすぎない体制づくり

|小規模事業者が生き残るための線引き

採用、定着、育成と向き合っていく中で、最後に行き着くのが「人にどこまで期待するか」という問題です。

期待しすぎれば疲弊し、期待しなさすぎれば組織は回りません。

この記事では、現場を運営する中で整理してきた、現実的な線引きについて書きます。


福祉事業は人ありきの事業

福祉事業は、人、つまり従業員ありきの事業です。

飲食店のように仕入れによって品質を一定に保つことはできず、サービスの質は、現場に立つ人そのものに大きく左右されます。

この前提を理解せずに体制を考えることはできません。


代替が効きにくい事業であるという前提

福祉の現場は、近い将来AIに取って代わられるような業務ではありません。

特に重症心身障害児支援では、人の判断や関わりが不可欠であり、代替が効きにくい事業だと考えています。

だからこそ、人に過度な期待を寄せない設計が必要になります。


全員が同じレベルになることは期待しない

まず、全員が同じレベルになることは期待していません。

人には得意不得意があり、万能な人材はいないという前提で体制を考えています。

全員を同じ型にはめようとすると、体制そのものが歪みます。


万能選手はいないという前提

一人で何でもこなせる人材を前提にした体制は、長続きしません。

特定の人に依存すれば、その人がいなくなった瞬間に運営が崩れます。

そのため、個人に期待しすぎない設計を意識しています。


最低限、期待していること

一方で、最低限ここは守ってほしいというラインは明確にしています。

それは、絶対死守ラインである「安全」を担保できることです。

この一点だけは、どんな理由があっても妥協できません。


困ったら聞けることを重視する

分からないことや迷ったことを、自己判断で進めないことも重視しています。

困ったら、迷ったら、必ず聞くという姿勢です。

これは能力よりも姿勢の問題だと考えています。


人間関係も体制の一部

特に女性が多い職場であるため、人間関係は軽視できません。

良好な人間関係を築けることは、業務を円滑に進めるための前提条件です。

スキルがあっても、人間関係を壊す人は体制を不安定にします。


期待しすぎて失敗した経験

過去には、この人はここまで成長できるだろうと期待したこともあります。

しかし、実際には思っていたレベルまで到達しなかったケースもありました。

期待が大きいほど、失望も大きくなると実感しています。


属人化させないという判断

現在の体制づくりで最も意識しているのは、属人化させないことです。

特定の人しかできない業務を増やさないようにしています。

誰かが抜けても回る体制を前提にしています。


迷ったら面倒な方を選ぶ

判断に迷ったときは、自分にとって面倒くさい方を選ぶようにしています。

短期的に楽な選択は、後から必ず負担として返ってくるからです。

この判断基準は、体制を安定させるうえで役立っています。


重症心身障害児対応はチーム戦

重症心身障害児対応の事業所は、多職種が連携するチームです。

個人の力でどうにかするものではありません。

チームとして一定のレベルを保つことが最も重要です。


継続するチームが子どもを支える

能力の高いチームが、長く継続して子どもを支援することが重要だと考えています。

それが結果として、子どもにとって安心できる環境につながり、保護者からの信頼も、こうした継続性の中で築かれていきます。


人に期待しすぎないという考え方

人に期待しすぎないというのは、冷たい考え方ではありません。

福祉事業の特性を踏まえたうえで、無理のない体制を作るための現実的な判断です。

期待ではなく、仕組みで回すことを意識しています。


これから体制づくりを考える人へ

福祉事業は、人がすべてと言っても過言ではありません。

だからこそ、人に期待しすぎず、チームとして機能する体制が必要です。

この記事が、体制づくりを考える際の判断材料になれば幸いです。


コメント

タイトルとURLをコピーしました