|現場に判断を押し付けないために
重症心身障害児事業の現場では、日々さまざまな判断が求められます。
そのとき、判断を誰が行うのかが曖昧だと、現場は不安定になります。
この記事では、役割分担と判断の線引きについて、私の考えを整理します。
迷ったら人に聞くという前提
私が一番大事にしている考え方は、迷ったら人に聞くことです。
これは消極的な姿勢ではありません。
安全を守るための、極めて合理的な行動です。
聞く相手は一人ではない
聞く相手は、必ずしも上司だけではありません。
同僚、管理者、状況によっては保護者に聞くこともあります。
迷いを一人で抱え込まないことが重要です。
責任は上にあるという考え方
経営者や管理者、上司は、責任を取るために存在しています。
現場職員がすべての責任を背負う必要はありません。
自分で責任を取ろうとせず、上に判断を振るしたたかさが必要です。
役割分担が曖昧な現場で起きること
役割分担が曖昧な現場では、よく似た言葉が飛び交います。
「聞いていない」「知らなかった」「そう思ったから」という言葉です。
これらは、すべて判断の線引きが曖昧なサインです。
「聞いていない」は理由にならない
「聞いていない」という言葉は、誰も教えてくれなかったという意味で使われがちです。
しかし、本来は自分から聞きに行くのが基本です。
聞きに行ける関係性を作ることも、現場運営の一部です。
「こう思ったから」は個人判断である
「こう思ったからやった」という説明もよく聞きます。
それは、その人個人の考え方です。
会社や事業所としての考え方と一致しているかが重要です。
「知らなかった」は学びの放棄である
「知らなかった」という言葉も、免罪符にはなりません。
社会人である以上、必要なことは自ら学びに行く必要があります。
これは厳しさではなく、プロとしての前提です。
判断を迷わせないための基本ルール
判断を迷わせないために、最初に決めておくべき線があります。
それは、迷ったら上に報告するというルールです。
これがすべての基本になります。
例外として現場判断が許される条件
ただし、すべてを報告してから判断できるとは限りません。
一定の条件を満たす場合に限り、現場判断を許容しています。
これは無制限の裁量ではありません。
現場判断が許される四つの条件
現場判断を行ってよいのは、次の条件をすべて満たす場合です。
報告している暇がない状況であること。
子どものためになると判断できること。
結果について責任を負う覚悟があること。
そして、終了後速やかに報告することです。
判断を一人に背負わせない仕組み
重要なのは、判断を個人に押し付けないことです。
判断の結果を組織として受け止める体制が必要です。
この前提がなければ、現場は萎縮します。
管理者が把握できなくなると危険である
役割分担が崩れ始めると、管理者が現場の支援を把握できなくなります。
日々の支援が場当たり的になり、計画性が失われます。
これは明確な危険信号です。
判断の線引きは現場を安定させる
判断の線引きが明確になると、現場は安定します。
迷いが減り、無駄な緊張がなくなります。
結果として、安全性も高まります。
現場に求めるのは完璧さではない
現場職員に完璧な判断を求めているわけではありません。
迷い、相談し、確認しながら進めば十分です。
そのための役割分担と線引きです。
役割分担は文化になる
この考え方は、マニュアルだけでは定着しません。
日々のやり取りや判断の積み重ねで、現場の文化になります。
時間はかかりますが、最も重要な土台です。

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