|基準を満たしていても、安全とは限らない
重症心身障害児事業において、人員配置は安全に直結します。
ただし、人員配置は単に人数をそろえれば良いものではありません。
この記事では、私が考える「絶対に外してはいけない人員配置の考え方」を整理します。
安全な人員配置とは、数ではなく構成である
私が考える安全な人員配置の基本は、子どもと職員がマンツーマンであることです。
ただし、これは支援の手厚さを示すための理想論ではありません。
安全を前提に考えた結果として、必要な配置です。
なぜマンツーマンである必要があるのか
重症心身障害児は、基本的に肢体障害を持っており、自力で歩くことができません。
そのため、火災や地震などの緊急時には、職員が直接抱える、または介助して避難させる必要があります。
緊急時に確実に避難させるためには、マンツーマンでの対応が前提になります。
マンツーマンは「非常時」を基準にした配置である
平常時だけを考えれば、複数人を見る配置も可能かもしれません。
しかし、安全は非常時に機能しなければ意味がありません。
その前提に立つと、マンツーマン以外の選択肢は取りにくくなります。
子どもの特性を理解していることが前提
マンツーマン配置が機能するためには、子どもの特性を理解している必要があります。
ここでいう特性とは、禁忌、食事形態、障害の詳細、医療的ケアなどを指します。
これらを理解していない状態でのマンツーマンは、安全とは言えません。
特性を理解した職員が複数いる状態
安全な配置のもう一つの条件は、子どもの特性を理解した職員が複数いることです。
一人だけが把握している状態は、非常に脆弱です。
その職員が不在になった瞬間、配置は一気に危険になります。
危ない配置は、基準を満たしていても起きる
基準上の人員配置を満たしていても、危ないと感じる場面があります。
代表的なのは、子どもの特性を理解した職員が一人、もしくはいないときです。
この状態では、現場の緊張感が一気に高まります。
現場を俯瞰できる職員がいない配置
もう一つ危険なのは、支援現場全体を俯瞰できる職員がいないときです。
全員が目の前の対応に追われている状態では、事故の芽を見逃しやすくなります。
俯瞰する視点がない配置は、安全性が大きく下がります。
最初に決めておくべき配置の線引き
人員配置で最初に決めておくべき線があります。
それは、現場を俯瞰できる職員が必ずいることです。
これは人数ではなく、役割の問題です。
役割としての「俯瞰者」を置く
俯瞰できる職員は、必ずしも管理者である必要はありません。
重要なのは、現場全体を見て、危険や違和感に気づける人が配置されていることです。
この役割があるだけで、現場の安定感は大きく変わります。
特性理解は属人化させない
もう一つの線引きは、特性理解を属人化させないことです。
特定の職員だけが詳しい状態は、配置上のリスクになります。
複数人が同じレベルで把握している状態を目指す必要があります。
配置が崩れ始めたときの最初のサイン
人員配置が崩れ始めると、必ず現れるサインがあります。
最も分かりやすいのは、休憩が取れなくなることです。
これは、配置に余白がなくなっている証拠です。
休憩が取れない現場は危険である
休憩が取れない現場では、集中力が低下します。
判断力も落ち、ヒヤリハットが増えやすくなります。
この状態を放置してはいけません。
人員配置は安全装置である
人員配置は、効率のための仕組みではありません。
現場を守るための安全装置です。
だからこそ、最低限ではなく、安全側に線を引く必要があります。
数字と現場感覚の両立
人件費や配置効率を考えること自体は、経営として必要です。
しかし、数字だけで配置を決めると、必ず現場に無理が出ます。
現場感覚と数字の両方を見ながら判断することが重要です。
人員配置は一度決めて終わりではない
人員配置は、固定すれば安心というものではありません。
子どもの状態、職員の経験、体調によって常に見直す必要があります。
柔軟に調整できる体制こそが、安全につながります。
配置の考え方が現場を作る
人員配置の考え方は、そのまま現場の空気を作ります。
無理な配置が続けば、職員は疲弊します。
余白のある配置は、現場に安心感をもたらします。

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