|育成で何とかなるという考えの限界
人が定着しなかった理由を整理していくと、次に浮かび上がってくるのが育成の問題です。
採用や定着がうまくいかなかった場合、「育てれば何とかなるのではないか」と考える人は少なくありません。
この記事では、育成について現場で感じてきた現実と、その限界について整理します。
育てれば何とかなると思っていた時期
正直に言えば、私自身も「一定のレベルまでは、誰もが到達できる」と考えていた時期がありました。
そこに達しないのは、教える側に問題があるのではないかと思っていました。
育成を強化すれば解決すると考えていたのも事実です。
実際の育成で直面した現実
しかし、実際に育成を進めていく中で、その考えは崩れていきました。
就職することと、やる気があることは、必ずしも一致しません。
繰り返し教えても覚えられない人が一定数いるという現実にも直面しました。
重症心身障害児の現場での重み
特に、重症心身障害児を支援する現場では、この問題は非常に重くなります。
覚えられない、理解できないということが、場合によっては生命の危険につながるからです。
育成の問題を、単なるスキル不足として片づけることはできません。
小規模事業者が置かれている現実
弊社のような小規模事業者では、のんびりと人材育成に時間やお金をかける余裕はありません。
日々の運営を回しながら、余力で育成を行うのが現実です。
理想論だけで育成を語れない理由が、ここにあります。
求人=人手不足という前提
求人を出すということは、すでに人手が不足している状態です。
余裕があって採用しているわけではなく、現場は即戦力を求めています。
この前提を無視して、育成だけを強調することはできません。
育てたいが、すぐに戦力も必要というジレンマ
一方で、長期的に見れば、人を育てたいという思いもあります。
即戦力が欲しいという現実と、育てたいという理想の間で、常にジレンマが生じます。
この葛藤は、多くの小規模事業者が抱えているものだと思います。
育成がうまくいかなかった人の共通点
育成がうまくいかなかった人を振り返ると、いくつかの共通点が見えてきました。
進取の姿勢がなく、新しいやり方を取り入れようとしない人です。
また、「前の職場ではこうだった」と自己判断を優先し、現場の方針に合わせようとしない人も多く見られました。
子どもへの向き合い方の差
さらに、子どもへの向き合い方にも差がありました。
言葉にするのは難しいですが、子どもに対する愛情が感じられない人もいます。
この部分は、教え方だけで埋められるものではありません。
教え方や経験の問題ではなかった
今振り返ると、育成がうまくいかなかった原因は、教え方の問題ではなかったと感じています。
同じ教え方をしても、問題なくできる人も一定数います。
また、業界経験の長さとも、必ずしも比例しませんでした。
育成には前提条件がある
もちろん、入社後に育てる必要があることは前提です。
ただし、その前に、柔軟性があるかどうかは非常に重要だと感じています。
考え方を更新できない人に対して、育成は機能しません。
これから育成を考える人へ
育成は、万能な解決策ではありません。
小規模事業者ほど、育成にかけられるリソースには限界があります。
この記事が、育成を現実的に捉えるための判断材料になれば幸いです。

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