【重症心身障害児】未経験から法人設立し事業所を開設するという選択|4店舗まで拡大した現実

私は福祉出身ではありませんでした。
重症心身障害児分野の経験もありませんでした。

それでも法人を設立し、重症心身障害児向け多機能型事業所を開設し、現在は4店舗を運営しています。

この事実だけを見ると、「未経験でもできる」と感じるかもしれません。
しかし正確に言えば、未経験でも“設計すれば可能”というのが現実です。

勢いでは続きません。
理念だけでも続きません。
構造を組んだからこそ、続いています。


未経験で一番怖いのは“無知”ではない

多くの方が誤解します。

未経験で怖いのは「知識がないこと」ではありません。
本当に怖いのは、「何を知らないのか分からない状態」で意思決定をしてしまうことです。

法人設立は手続きです。
資本金も調達できます。
物件も見つかります。

しかし、

・なぜ重症心身障害児なのか
・なぜ多機能型なのか
・なぜその定員なのか
・なぜその物件なのか

この「なぜ」を答えられないまま進むと、後戻りができません。

開設後に構造を修正することは、ほぼ不可能です。


なぜ私は重症心身障害児を選んだのか

感情ではありませんでした。
制度構造を見ました。

定員区分ごとの単位差、対象年齢幅、支援密度、競合状況。
数字で判断しました。

5〜7人区分は2,131単位。
8〜10人区分は1,347単位。
11人以上は850単位。

定員を増やせば収入が増える構造ではない。
この制度特性を理解したうえで設計しました。

未経験でも参入できる分野はあります。
しかし、制度構造を読めないまま参入すると、努力が報われません。


最初に設計しなければならないこと

未経験起業で最も重要なのは、
「開設前に9割決まる」という事実を理解することです。

・法人形態
・資本金
・資金調達計画
・定員設計
・物件規模
・人員計画
・加算前提設計

これらはすべて連動しています。

例えば定員を誤れば、単位区分が変わります。
単位区分が変われば、損益分岐点が変わります。
分岐点が変われば、必要資金が変わります。

これは後から修正できません。


黒字化までの時間軸

当事業所は黒字化まで約6カ月を要しました。

開設初月から満員になることはありません。
契約は段階的に積み上がります。

未経験者が最も軽視するのは、この時間軸です。

「単位が高いからいける」
「ニーズがあるから大丈夫」

この感覚で始めると、運転資金が尽きます。

黒字化の前に資金が尽きれば、理念は意味を持ちません。


再現実績があるということ

一昨年、起業未経験から参入する方のコンサルを行いました。

法人設立から伴走し、事業所を開設。
現在、その方は2店舗目を準備中です。

これは理論ではありません。
実際に再現した事例です。

未経験でも可能です。
ただし、設計なしでは危険です。


なぜ未経験者に焦点を当てるのか

既存事業者は、すでに構造の中にいます。
改善は可能ですが、大きな修正は難しい。

未経験者は違います。
まだ何も決まっていません。

だからこそ、最初から構造を組めます。

これは大きなアドバンテージです。


4店舗まで拡大できた理由

拡大は偶然ではありません。

最初の1店舗目を、拡張可能な構造で設計したからです。

定員、単位区分、資金回収速度、損益分岐点。
すべてを前提に設計しました。

だから2店舗目、3店舗目、4店舗目へと進めました。


結論

重症心身障害児向け事業を、未経験から立ち上げることは可能です。

しかし、それは「参入できる」という意味であって、
「何も考えずに成功する」という意味ではありません。

法人設立前に何を決めるか。
制度をどう読むか。
定員をどう設計するか。
資金をどう組むか。

ここがすべてです。

未経験でもできる。
ただし、設計しなければ失敗する。

それが、この分野の現実です。

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